4.自己破産

自己破産とは

債務者が経済的に破綻した場合に、その財産関係を清算し、総債権者に公平な弁済をすることを目的とすると同時に、債務者の債務を整理し生活再建と再出発のチャンスを与える制度です。

「債務者自ら(自己)が申し立てる破産」なので自己破産といいます。

任意整理や個人再生手続は、返済を前提とした解決方法でした。

しかし、この二つの方法でも解決が無理なら、返済を前提としない解決方法である自己破産を選択することとなります。

自己破産は、「破産手続」と「免責手続」とに分かれています。
詳しくは、「4-3自己破産手続の流れ」で見ていきますが、申立をして破産手続開始決定が下りても、「破産者」となるだけです。

これだけでは、借金(負債)が免除されたことにはならないのです。
借金を作った理由によっては免除されない可能性があります。

強調したいのは、「簡単に借金が帳消しになるほど甘い手続ではない」ということです。

自己破産のデメリット

○債務者が財産(不動産・自動車・生命保険解約返戻金等)を所有している場合、原則として、現金化され債権者に平等に分配されます。
 
債権者への分配は裁判所が選ぶ破産管財人という人の仕事になります。
 
借金を返せないのに自分の財産は手元に置いておけるとなると債権者は怒りますよね。
 
ある相談者さんから、「この財産だけは何とか残してくれないか」と言われたことがありますが、当然お断りしました。

財産の隠匿行為になり、免責不許可事由に該当します。他人からお金を借りておいて払えないでいるのに自分の事しか考えていない態度に問題がありますよね。債権者の存在というものを常に考えていただきたいと思います。

○資格制限
  破産手続開始決定後、免責決定が確定するまでの間は、弁護士・公認会計士・税理士・司法書士・公安委員会委員・公正取引委員会委員・宅建業者・証券会社外務員・商品取引所会員・貸金業者・生命保険募集人・損害保険代理店・警備業者・警備員・建設業者・風俗営業者等にはなれません。

破産の申立時にその職にある人は、資格を失うために、一時的に職を失うことがあります。

しかし、この資格制限は、免責許可決定が確定すれば全て解消されます。

○信用情報機関に登録されます
破産手続開始決定があったことが、銀行系・クレジット系・サラ金系の各個人信用情報機関に5~7年間は事故情報(ブラック情報)として登録されます。

したがって、サラ金から融資を受けたり、クレジット会社からクレジットカードの発行を受けることができない可能性があります。
このような状況でもお金を貸してくれるところがあります。ヤミ金です。

「ブラックOK」という広告が電柱に貼ってあったり、郵便受けに入っていたり、直接、自己破産手続をした人宛に手紙が来ることがありますが、絶対に借りてはいけません。

○その他
自己破産申立をした人に一定の財産があって破産管財人が選ばれて場合には、次の制限も加わります。

1)長期の旅行や転居をする場合は裁判所の許可が必要になります。
2)郵便物が全て破産管財人のところに配達され、破産管財人に開封されます。

自己破産手続の流れ

大まかにですが、流れを見ていきましょう

1)申立の準備

添付書類を作成、収集し、申立書を作成します。
色々揃える書類があります(住民票・戸籍・預金通帳を紛失している場合等は取引明細等)

2)裁判所に申立書を提出

原則として、債務者本人の住所地または居所を管轄する地方裁判所に対して行います。

3)破産手続開始決定

1)一定の財産がある場合
「管財事件」と呼ばれる手続となります。
破産管財人が選ばれて、債務者の財産を管理し、お金に換えます。
それを債権者へ平等に分配します。

破産管財人が選ばれて財産の調査をしてみたものの、配当すべき満足な財産がなかった場合、破産手続が打ち切りとなる場合があります。これを「異時廃止」と呼びます。

2)一定の財産がない場合
財産がないのですから、債権者に配当できるお金もないことになり管財人を選ぶ意味がありません。
このような場合は、破産手続開始決定後、直ちに破産手続が打ち切られます。これを「同時廃止」と呼びます。

4)免責手続

「管財事件」で債権者への配当が済み、あるいは、「同時廃止」「異時廃止」で破産手続きが打ち切られた場合、免責の手続に移ります。
  
免責許可決定があってはじめて借金がなくなります。
裁判所からこの免責許可決定を得ることが目標となります。

免責不許可事由に該当する場合、免責が不許可となる場合があります。

※免責不許可事由とは
免責によって借金を支払わなくてよいことになるのですが、借金を作った理由によっては免責が認められない場合があります。
例えば、「ギャンブルにお金をつぎ込んだ」、「風俗店に通いつめた」、「浪費を繰り返した」ような場合です。
ただ、このような場合でも、「裁量免責」といって免責が認められる可能性もあります。

破産手続きはこれで終了です。